ヤクルト清水昇(2020年10月24日撮影)
ヤクルト清水昇(2020年10月24日撮影)

ヤクルト清水昇投手(24)が、30ホールドポイントで最優秀中継ぎに輝いた。勝利の方程式の一角として、チーム内でのポジションをつかんだ。

実はグラウンド外でも、存在感を発揮していた。感情をあらわにし、ピンチを抑えれば大きくガッツポーズ。その一生懸命な姿は、ファンの心もつかんだ。グッズの売り上げは、登板数が増えるごとにぐんぐん上昇。人気選手の仲間入りを果たした。

「ネクスト ジェネレーション」として紹介されるヤクルト清水、長谷川らのグッズ(撮影・保坂恭子)
「ネクスト ジェネレーション」として紹介されるヤクルト清水、長谷川らのグッズ(撮影・保坂恭子)

球団スタッフや報道陣とすれ違う際も、必ず帽子を取り、目を合わせてから頭を下げるのが、清水のあいさつだ。神宮球場内の外野通路に、特設された公式グッズショップがある。その外野通路は、神宮外苑で行われる試合前練習のため、選手たちも行き来する。試合開催日、球場内の店舗で準備をするスタッフたちにも、清水はあいさつを欠かさなかった。時には足を止め、グッズについて聞くこともあったという。繰り返される毎日のあいさつ。そんな姿から、いつの間にか清水の愛称をとって通称「しみのぼ店」と名付けられた。

シーズン中のある日、慌ただしく動くスタッフを横目に、グッズショップの前で立ち止まった。サインペンを借りると、持参してきたボールにさらさらとサインを入れ、ポンと置いて帰った。目の前で、一連の流れを見ていた男性スタッフが「男ですけど、かっこよくてほれました」というほどのスマートさだったという。その後、ケースに入れられたサインボールは、シーズン終了までレジ横に飾られていた。

ヤクルト清水がグッズショップに贈ったサインボール(撮影・保坂恭子)
ヤクルト清水がグッズショップに贈ったサインボール(撮影・保坂恭子)

試合後にクラブハウスから帰る際にも、球場の外で片付けをしているスタッフの横を車で通る時にはスピードを落とし、窓を開けて「お疲れさまでした」とあいさつする。プレーだけではない、清水の魅力の1つだと思う。【保坂恭子】