<パ・クライマックスシリーズ:ソフトバンク6-4ロッテ>◇第2戦◇15日◇ペイペイドーム

ソフトバンク王貞治球団会長(80)がクライマックスシリーズ連勝突破を見届け、「工藤ホークスは強い」と胸を張った。21日からは古巣巨人と日本シリーズを戦う。2年連続の対戦だが、昨年は2位からの勝ち上がりだったため、リーグ覇者としては長嶋、王のON監督対決で沸いた00年以来、20年ぶり。王会長は巨人を倒しての完全V、そして4年連続日本一を真っすぐに見据えた。

ソフトバンクが4年連続の日本シリーズ進出を決めた。歓喜に沸くナインを見つめ、誰よりもチームの「強さ」を実感していたのは王球団会長だった。ロッテとのクライマックスシリーズは2戦連続逆転勝ち。「この2試合は厳しい試合でしたが、最終的にはリーグチャンピオンらしく2試合で決めた」。孫オーナーととともに一塁側ベンチ前でナインを迎え入れ「さすが工藤監督率いるホークスは強いなと、あらためて感じている」と自賛した。

16年前のこの時期だった。ホークスの親会社はダイエーからソフトバンクに変わった。東京本社で孫オーナーの食事会に招かれた王監督(当時)は「よろしくお願いします」と深々と頭を下げる新オーナーの姿に心を打たれた。監督として優勝の美酒を贈ることはできなかったが、フロント入りし、球団を全面バックアップ。リーグV6回、日本一6回と文字通り「常勝チーム」に育て上げた。

「選手たちが戦い方を知っている。自分たちは何をしなきゃいけないかと。やはり最終的に勝つという意識がウチの選手たちが一番強いんじゃないですか」。球団創設15年の節目の年(16シーズン目)。年を重ねるごとに成長度を増すチームに手応えは深まるばかりだ。

日本シリーズでは古巣である巨人と2年連続で対決する。昨年は2位からのCS突破ながらシリーズ4連勝で頂点に立った。「リーグ覇者として」の宿題もクリアした。「巨人もダントツで(シーズンを)勝ってきているし、打倒ホークスということで去年とは違った形でチャレンジしてくるだろうから。(日本シリーズ)3連覇しているなら4連覇を狙うのは当然。あとは勝つのみ。相手はジャイアンツだから不足はない」。王会長は力強くV宣言した。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ロッテに連勝で日本シリーズ進出を決め、工藤監督(手前右)、孫正義オーナーを先頭にグラウンドを1周するソフトバンクナイン(撮影・岩下翔太)
ロッテに連勝で日本シリーズ進出を決め、工藤監督(手前右)、孫正義オーナーを先頭にグラウンドを1周するソフトバンクナイン(撮影・岩下翔太)