日本ハム斎藤佑樹投手(32)のファンから、はがきが届いた。昨年末に行ったインタビュー記事の感想が寄せられた。ダイレクトに届けられた声を聞くことに一瞬、ためらってしまった。斎藤は近年、インターネット上で「標的」になっている。
昨年は未勝利に終わり、その後は右肘靱帯(じんたい)の断裂が発覚した。プロ入り後、期待を上回る成績を残せていないのは事実。ささやかれ続けていた「引退」の2文字は、また一段と大きくなった。声援や心配する声を、かき消してしまうんではないかと思うほどに。
斎藤自身は、どう感じているのか。「いろんな声が入ってきますけど、ただそれは、考えてもしょうがないこと。本当はこうじゃないのにと、言いたいことも、今までもたくさんあったんですけど、それは僕のコントロールできないところ」。意外なほど、あっけらかんと話してくれた。
栄光も挫折も味わった、希少な人物。「僕はメンタルが、めちゃくちゃ強いわけではない」という。斎藤本人ではなくても、心を痛めるような言葉を、ネット上で見かける。「自分が、斎藤佑樹だったら」。ネットに意見を書き込む前に、そう思うことが出来たら、何か変わらないだろうか。
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恐る恐る読んだファンからのはがきには、前向きな応援メッセージであふれていた。「ずっと応援してます」「頑張っていることを知れて私も力になります」「これからも斎藤さんのピッチングを、たくさん見られますように」。
斎藤に伝えると、やや驚きながら「話して良かったです」と笑顔を見せてくれた。温かい声援の偉大さを、あらためて感じた。【日本ハム担当 田中彩友美】




