19日にセンバツ高校野球が開幕した。2年ぶりの「春のセンバツ」が甲子園に帰ってきた。日本ハム栗山英樹監督(59)も笑顔だ。「やっぱ、高校野球が帰ってきたなというのは、うれしかったね。彼らの魂を見て、これは大事にしなきゃいけないと思ったね」。監督就任前はテレビ朝日系「熱闘甲子園」のキャスターを務めた。夏も春も関係ない。高校球児、甲子園に対する思い入れは強い。

センバツ開幕戦をテレビ観戦した栗山監督には、あらためて感じたことが、あったという。

栗山監督 渋沢さんの「論語と算盤」の中に「士魂」という言葉が出てくる。士魂商才。日本は江戸時代に人がどう生きるべきか徹底的に教育された。それがだんだんなくなっていく中で、そういうものを受け継いでいくのが甲子園なのかなと今日あらためて思った。

士魂とは武士の精神を意味する。大切なものを守るために全てを尽くすことができるのが侍の魂。栗山監督は甲子園から、あらためてその大切さを感じ取っていた。

栗山監督 野球は、動きに関しては近代的、科学的にいろんなことをやらなきゃいけないけど、こっち(心の中)の部分は我々日本人が代々先輩から受け継いだ大切なものをもう1回、考え直さなきゃいけないし、残していかなきゃいけない。そこには甲子園、高校野球があるなとオレは感じた。

やはり甲子園は、いつでも力をくれる聖地だ。栗山監督は言った。「(開幕戦を戦った)彼らの魂を見て、これは大事にしなきゃいけないと思ったね。球児たちには『いい試合をありがとう』と伝えたい」。【日本ハム担当=木下大輔】