<ソフトバンク4-3オリックス>◇15日◇ペイペイドーム

思わぬ5連敗もあったものの、ソフトバンクが早くも「指定席」に着座した。オリックスに逆転勝ち。楽天が敗れたため単独首位に返り咲いた。リーグ10勝一番乗り。リーグ連覇&シリーズ5連覇を目指すチームにとって、今後も戦いを優位に進められるのではないだろうか。

それにしても「猛牛」という“カモ料理”はチームに滋養を与えてくれる。先発武田が5回に3点を先制されたものの直後に4得点で一気逆転。守護神森を欠いたsとはいえ、盤石のブルペン陣が1点を守り切った。3連戦の初戦こそ落とし、対オリックス3連敗だったが、早くも星勘定を五分に戻した。工藤政権7年目のシーズンは始まったばかりだが、工藤ソフトバンクとなってオリックス戦はこれで100勝50敗(5分け)となった。単純計算すれば3連戦ならすべて勝ち越しという圧倒的な強さを見せつけている。この日、オリックスに敗れれば2カード連続の負け越しだった。記録をたぐってみると18年5月以来、3年ぶりとなるところだったが、それも杞憂(きゆう)に終わった。

逆転二塁打を放ってお立ち台に立った栗原は言った。試合前に選手会長の中村晃がナインを前に「チャレンジしよう」と奮起を促したという。中村晃自身、本来の打撃にはまだ遠く模索の日々が続いているが、まとめ役としての意識は忘れていない。そんな先輩の言葉に触発されて結果を出した栗原もさることながら「チーム一丸」の気持ちを共有できるところが、ソフトバンクの強みでもあろう。

少しばかり気が早いと言われるかもしれないが、ソフトバンクが疾走しそうな気配も漂い始めた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】