かなりの確率で打つだろうとは思っていたものの、本当に打つと、さすがにビックリする。ロッテ岡大海外野手(29)が21日、日本ハム戦(ZOZOマリン)で劇的な逆転サヨナラ2ランを放った…のがスマホに映った。私のだらだらした休日の夜長に刺激がもたらされた。

日本ハム杉浦の直球を捉えると、ZOZOマリンのバックスクリーンにぶっ飛んでいった。いつもあのあたりで待機する謎の魚の身を案じた(無事だったらしい)。岡のとんでもない飛距離はよく見る光景ではある。試合前の練習。京セラドームでは左翼5階席に平然と飛ばす。楽天生命パークでは左中間の観覧車に当たるのではと心配になる。14日の楽天戦の練習では観覧車直撃こそなかったものの、バックスクリーンには普通に当てていた。

課題は明白で、実戦でなかなかバットの芯を食わない。昨季は年間8安打、打率も長打率も1割4分3厘。痛烈な打球は記憶の限りほとんどない。井口資仁監督(46)もSNS企画でファンの質問に答えていた。「3拍子そろった選手で、力を1年間通して発揮すれば、すぐに1億円プレーヤーになれる選手。まだ自分のポテンシャルに気が付いていない部分を感じます」。

今年はキャンプから確実性が明らかに上がった。バットの位置を少しだけ変えたように見える。「自分が今までいいなと思っていたことが本当にいいのか、もう1回考えたのもあります」。井口監督や松中臨時コーチからのアドバイスも積極的に試していた。特に松中コーチから手首の使い方のアドバイスを受けるシーンが印象に残る。

スタメン出場はまだ3試合。昨季と同じように、代走や守備固めでの出場が多い。数字は一変。昨季は23試合消化時点で17試合に出場し(うちスタメンは1試合)10打数0安打。今季は20試合に出場し、26打数9安打。役回りはほとんど同じスーパーサブでも、岡の躍進は確実にチーム強化につながっている。

それにしても、なぜあんなに打球が勢いよく飛ぶのか。「僕は体重で飛ばすバッターじゃないと思うので。僕自身では、瞬発系と言いますか、そういう部分だと思います」と飛距離の源を簡単に分析していた。球団SNSによると、今回のサヨナラ弾ではバットも折れたそう。岡大海の謎をもっと突き詰めたい。【ロッテ担当=金子真仁】