日本ハム伊藤が小学時代に記した卒業文集(鹿部小提供)
日本ハム伊藤が小学時代に記した卒業文集(鹿部小提供)

<ソフトバンク3-4日本ハム>◇28日◇ペイペイドーム

やっと、やっと、プロ初勝利だ。“北のドクターK”日本ハムのルーキー伊藤大海投手(23)が28日、ソフトバンク5回戦(ペイペイドーム)で6回4安打無失点。デビューから5試合連続でクオリティー・スタート(6回以上、自責3以内)を達成し、待望の初白星を手にした。奪三振数は両リーグトップの41個。大学中退など苦難を乗り越えプロ入りの夢をかなえたハートは、強靱(きょうじん)だった。

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伊藤は小学校の卒業文集に「サイコーの野球から学んだこと」と題して書いていた。小学2年生から始めた野球に夢中だった。プロフィル欄には「好きなことは野球、グローブの手入れ」と記した。幼い頃から一切、ブレることなくプロという夢に向かって道を切り開いてきた。

「僕の言うサイコーの野球とは大好きな野球を楽しむなかで、できなかったことを練習してできるようになったときの喜びのことです」。7日ソフトバンク戦ではプロ初黒星を喫し、試合後ベンチで涙を流したが、その悔しさも成長への糧に変えた。

野球への情熱は幼い頃と全く変わらない。「こんな楽しい野球をこれからも続けていきたいと思います。僕に野球をやらせてくれた両親に感謝したいと思います」。マウンドで躍動する姿が、応援してくれる父と母への最高の恩返しになる。文集の将来の夢には「メジャーリーガー」と書き記した。プロ初勝利は1つの通過点。大きな夢に向かってブレずに突き進む。【日本ハム担当 山崎純一】

ソフトバンク対日本ハム プロ初勝利を挙げた伊藤(左)と祝福する栗山監督
ソフトバンク対日本ハム プロ初勝利を挙げた伊藤(左)と祝福する栗山監督