<ソフトバンク7-2オリックス>22日◇ペイペイドーム

無観客での開催となったソフトバンク対オリックス戦(撮影・梅根麻紀)
無観客での開催となったソフトバンク対オリックス戦(撮影・梅根麻紀)

ペイペイドーム上空には青空が広がっていた。黒星が先行していたオリックスに完勝。同カードの星を五分に戻し、工藤ソフトバンクは1週間ぶりに首位に返り咲いた。ファンの後押しのない本拠地での無観客試合は昨年7月9日の楽天戦以来。この白星が梅雨の晴れ間の1勝でなく、進撃の起点となればいい。

ソフトバンク対オリックス 1回裏ソフトバンク1死一、三塁、柳田は右越え先制3点本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対オリックス 1回裏ソフトバンク1死一、三塁、柳田は右越え先制3点本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)

試合を見守った王球団会長も足取り軽く引き揚げた。20日に81歳の誕生日を迎えたが、遠征先の所沢で西武に完敗。2日遅れのバースデー白星となった。「祝砲」を打ち上げたのは4番柳田。初回にいきなり豪快に9号3ランを無人の右翼スタンド中段に運んだ。「飛ばす力は持って生まれたもの」。王会長は期待の長距離砲に入団時から打撃フォームにメスを入れることはなかった。1球を仕留める技術。「バットに当てる前に『捉えた!』という感覚が必要なんだよ」。通算868本塁打の奥義は、少しばかり柳田にも伝わってきただろうか。ほんの2週間前まで右投手に対してもオープンスタンスに変更するなど打撃に腐心していただけに、内角球を1発で仕留めた豪快弾に大きな手応えを感じ取ったことだろう。

25日からは2年ぶりの「交流戦」が始まる。過去15年で最多8度の「優勝」を飾っているホークスにとっては稼ぎ時でもある。モイネロ、デスパイネらキューバ勢が五輪予選のために24日に離日。故障離脱中のグラシアル、守護神森らの不在もあって厳しい戦いは続くだろうが、分厚い選手層で乗り切るしかない。

ホークスが福岡に移転して今季33シーズン目。積み上げた白星はこの日の1勝で2299勝となった。区切りの2300勝で、得意の交流戦に乗り込みたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】