記録はいつか途切れるものだ。広島の新人栗林良吏投手(24)の連続無失点試合は13日オリックス戦で止まった。デビュー登板からの22試合連続無失点は2リーグ制後新人最長記録であり、開幕から22試合連続無失点は球団新記録だ。輝かしい記録が色あせることはないだろう。

開幕前から佐々岡監督や投手コーチは“失敗した後の精神力の重要性”を口にしていた。チームの勝敗を背負う重要なポジションだからこそ、初めて味わう失敗によって次の登板に影響しかねない。現役時代に抑えを任され、背番号20の前任者である永川投手コーチはいう。「そりゃ、記録はずっと更新して欲しかったけど、失点した後の姿も見てみたいという思いもあった」。ブルペンコーチとして日々、サポートしてきた。高い技術力や強い精神力だけでなく、徹底した準備に謙虚さを知るからこそ、心配していなかった。

記録が途切れた後のマウンドは、重要だった。初失点から2日後の15日西武戦。栗林は9回を3者連続三振に抑える見事な投げっぷりを見せた。「変わらず同じ(精神)状態でマウンドに上がった」。18日DeNA戦は2人の走者を出しながら後続を断ち、2試合連続無失点連続セーブとした。

記録が途切れた後は、記録を更新しているときとは違う精神力が必要なのだと思っていた。だが、栗林の強さは、常に同じ精神状態でいられることにあるのかもしれない。【広島担当=前原淳】