<オリックス6-0ソフトバンク>◇2日◇京セラドーム大阪

データというのは本当に正直なものだ。試合前までリーグトップの防御率1・50を誇るオリックス山本は数字的には2点あれば勝利を手にすることができるのである。その通りであった。ソフトバンクの先発スチュワートがいきなり大乱調。データから言えば、初回にモヤの先制適時打、紅林の右犠飛で2点を失ったとき、試合は「終わった」のであった。さらにこの回、2点を追加。2、4回とそれぞれ1点を追加されてしまえばホークスにとっては「コールド負け」のような展開と言ってもよかった。

オリックス対ソフトバンク 1回裏T-岡田に適時打を浴びて肩を落とすスチュワート(撮影・前岡正明)
オリックス対ソフトバンク 1回裏T-岡田に適時打を浴びて肩を落とすスチュワート(撮影・前岡正明)

逆襲を誓ったはずの10月戦線はオリックスに2連敗。首位との差は遠く離れるばかりか、3位楽天とも3ゲーム差となってしまった。「山本攻略」に向け、対戦打率4割2分9厘の松田を1番起用したものの、4打席ノーヒット。こちらのデータは今を保証するものではなく、残念ながら「過去」であった。

オリックス対ソフトバンク 5回の攻撃前、円陣を組むソフトバンクナイン(撮影・前岡正明)
オリックス対ソフトバンク 5回の攻撃前、円陣を組むソフトバンクナイン(撮影・前岡正明)

残るペナントレース。まだまだ前を向いて上を見つめなければならないが、この沈滞ムードに不気味に響いてくるのは獅子の足音かもしれない。3戦目は中4日でエース千賀がマウンドに上がるが、分水嶺(れい)となる一戦になることは確かだろう。再びチームは借金生活に戻った。驚異的な復元力がない限りAクラス入りも厳しい状況になったと言わざるを得ない。8回にリチャード、今宮、谷川原と3人の代打を送った後、その裏の守りから主砲柳田も釜元に代わった。「最後まであきらめない」姿勢からすると疑問符の残る交代だった。ゲームセットの瞬間まで戦い抜く、という姿は感じられなかった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】