<ソフトバンク0-5楽天>◇6日◇ペイペイドーム

現実的にAクラス入りが目標となっているソフトバンクにとって、何とも痛すぎる黒星となった。3位楽天の2連戦は1敗1分け。白星を手にすることはできず、CS(クライマックスシリーズ)の自力進出の可能性も消滅してしまった。チームは5連敗。チームは再起動の余力すら失ってしまったのだろうか。

貧すれば鈍するというが、好転の兆しはいまだに見えてこない。7回に粘投の先発マルティネスが力尽き2点を献上。3点差となっても必勝に向けベンチは8回のマウンドにモイネロを送り込んだが、火に油を注ぐ結果となった。絶対的な信頼を置く「8回の男」は1死も取れず29球を投げ田中の救援を仰ぐ結果となってしまった。

ソフトバンク対楽天 ソフトバンク先発のマルティネス(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対楽天 ソフトバンク先発のマルティネス(撮影・梅根麻紀)

正念場の戦いに向けたチーム力が足りないと言ってしまえばそれまでだが、苦しみ抜く中でチーム内に諦めに似たムードが充満しているとすれば、今シーズンの不安だけにとどまらない。

昨年、リーグVを奪回し、日本シリーズ4連覇を達成したとき、王貞治球団会長は言った。「選手たちが、自分でしっかりとやれるチームになった。そこが一番大きいし、そうなるのが最も難しいからね」。常勝チームとしての成熟度に王会長も大きな手応えを感じ取っていたのだが…。グラシアルや千賀、森ら主力選手が故障で長期離脱の不運もあったものの、ここまで培ってきた「チーム力」をなかなか発揮できなかったことも確かだろう。「強さ」を保持しながら世代交代を図るという難易度の高い作業も待ち受ける。残り14試合、最後の粘りを見せてもらいたいものだが、同時に戦力低下だけではない「敗因」をしっかり探ることも忘れてはいけない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対楽天 7回裏ソフトバンクの攻撃をベンチから乗り出して見つめるマルティネス(手前)の奥でうつむく工藤監督(後方左から2人目)と小久保ヘッドコーチ(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対楽天 7回裏ソフトバンクの攻撃をベンチから乗り出して見つめるマルティネス(手前)の奥でうつむく工藤監督(後方左から2人目)と小久保ヘッドコーチ(撮影・岩下翔太)