巨人の秋季練習が16日から始まった。1軍の主力、ベテラン選手を除く、1~3軍までの若手選手が一堂に会すると迫力がある。威勢良く走りだし、ノックの打球に飛びつく。若々しさはいい。ただ、プロの世界は、かけ声と威勢だけで通用するほど甘くない。秋季練習は「プロの技=技術」を磨く期間でもある。

当たり前のことを、当たり前にやる-。耳にたこができるぐらい聞くフレーズだ。「当たり前にやる」の前提として「当たり前のこと」を知る必要がある。名手坂本の当たり前と若手選手の当たり前は異なる。プロ選手と高校球児でもまた異なる。

秋季練習後はオフ期間に入り、2月1日のキャンプインまでは“自由時間”になる。一流選手が口をそろえるのは「オフの過ごし方がプロにとっては一番大事。それは一流と二流の差を生む」。

現役時代の阿部コーチもオフ期間の自主トレは相当量の練習を積んできた。コンディション管理は当たり前。熟練の技術をさらに磨くのも当たり前。地味な基礎練習を繰り返すのも当たり前。体にむちを入れて走り込むのも当たり前。年輪を重ねるごとに「当たり前のこと」も増える。

秋季練習中にオフ期間に取り組むべき「当たり前のこと」を見つける必要がある。当たり前のことを当たり前にやる。簡単そうで難しい。【巨人担当=為田聡史】