契約更改後の会見は、その選手の1年の総括の場にもなる。ロッテ佐藤都志也捕手(23)に最後の試合のことを尋ねた。
11月12日、CSファイナルのオリックス第3戦(京セラドーム大阪)で、7回に代打で同点適時打を放ち、そのままマスクをかぶった。国吉佑樹投手(30)とバッテリーを組んだ。
しかし3球で1死二塁の勝ち越し機を作られると、2死二塁のカウント2-1からフォークがワンバウンドになっての暴投で、2死三塁に。カウントは2-2。国吉の制球が荒れ、苦しい局面になった-。
佐藤都には苦い記憶がある。5月28日の広島戦、盗塁悪送球や暴投、振り逃げなど自身が絡む失点が短いイニングで立て続けに起こり、スタンドからの厳しい声も耳に届いた。
「正直に言うと、やっぱり出るのも本当に嫌だったっていう時期もあったくらいだったんで」
19年ドラフト2位で東洋大から入団。「打てる捕手」の評判も、ディフェンス面の不安からか本来の力を発揮しきれずにいた。
「自分がこれから正捕手になるって決めた以上は、通らなきゃいけない道だったのかなと思います」
前向きに捉えて経験を重ねたが、CSファイナルで直面したのは「失点したら終わり」に近い絶体絶命の状況だった。次のフォークが明らかなボールで、カウントは3-2に。もう選択肢は直球しかないのか。
しかし、最後もフォークだった。紅林は空振りし、佐藤都はしっかり止めた。絶体絶命でフォークのサインは怖くなかったのか。
「あの時は、逆に怖くなかったかもしれないです。ヒットを打たれてバント、ワンバウンドのワイルドピッチで3塁。これで点取られても不思議じゃないなって逆に思ってたんで。だったら、やることやれば、これで0点だったら良しだなという割り切りじゃないですけど。まっすぐのサイン出して打たれた方が悔いが残るなと思ったんで」
もがいてもがいて、結果が出て終われば、もがいた価値も高まる。来季の佐藤都志也が楽しみになるフォークボールと、契約更改会見だった。【ロッテ担当 金子真仁】




