関西出身の記者にとって、小学生の頃のヒーローは「阪神新庄選手」だった。2000年前後、チームは弱くても、奇想天外なプレーをする背番号5に魅了された。20年以上がたち、ソフトバンク担当記者として「BIGBOSS」としての初陣を現場で見られるとは夢にも思わなかった。

さて、球界を飛び出して話題を振りまく敵将を破り、開幕白星スタートとなったソフトバンクだが、今季から取り組む「3軍拡大構想」も本格的に動き始めた。今月に入って、育成新外国人のアレクサンダー・アルメンタ投手(17)、マイロン・フェリックス投手(22)、フランケリー・ヘラルディーノ内野手(17)、マルコ・シモン外野手(17)の4人がチームに合流した。

入団会見で三笠杉彦取締役GM(47)は「日本人の育成選手たちと競争しながら刺激し合って、切磋琢磨(せっさたくま)して欲しい」とチーム内の活性化を期待しつつ、まだ若くして海を渡ってきた選手らに「日本の文化に慣れたり、野球以外のいろんなことを学んでもらうプランを考えている」と、教育面も含めてのサポートを約束していた。

今や主力の千賀や甲斐が育成出身なのは有名だが、不動のセットアッパーであるモイネロも、育成での入団だった。ヘラルディーノやシモンは、会見で口々に「スーパースターになりたい」と目を輝かせていた。新たな育成の星は生まれるか。シーズンと並行してこちらの動きにも注目したい。【ソフトバンク担当=山本大地】