<ソフトバンク2-8西武>◇27日◇ペイペイドーム

ペイペイドームの放送ブースには何とも豪華な顔ぶれがそろった。昨年までソフトバンクの監督を務めた工藤公康氏と元監督の秋山幸二氏の2人が地元テレビ局の解説を務めていた。

残念ながらこの日のホークスは1カ月ぶりの先発登板となった杉山の乱調もあって西武に完敗。マイクの前の秋山&工藤の歴代監督のトーンもなかなか上がらなかったようだった。スーツ姿の2人の中継映像を見ながら、少しばかり不思議な感覚になった。ホークスの投打の主力選手として99年のダイエー初Vに貢献。黄金時代を築いた西武から秋山氏はトレード、工藤氏はFA行使でホークスに移籍。「常勝の血」を注入した。親会社がダイエーからソフトバンクとなり、王監督を継いで秋山監督が背番号「81」に袖を通した。14年の退任後は工藤氏がバトンを引き継いだ。秋山、工藤監督がチームを率いた13シーズンでリーグV6度、日本一7度。とてつもない数字を残した。考えてみれば、ホークス王監督誕生に合わせた球団の補強戦略は30年近くたっても「常勝」のDNAを色濃く受け継いできたわけだ。もちろん、加速度を増したのはソフトバンクとなってから。彼らを引き継ぐ藤本監督の双肩には「V奪回」というズシリと重責がのしかかっている。同時に勝ちながら育てるという「世代交代」の難題も抱えてのシーズン船出だ。

この日の敗戦でソフトバンク通算1000敗に王手となる999敗目。ただ、勝ち越しはすでに1330勝。球団創設から18年目ですでに330以上の「貯金」を積み上げている。タクト1年目の藤本監督は胃の痛む毎日だろうが、選手たちのポテンシャルの高さを考えれば、そうそう慌てることはない、と思っている。

【ソフトバンク担当 佐竹英治】