とてもドラマチックな初勝利だと感じた。日本ハム田中瑛斗投手(22)が7月7日のロッテ戦(ZOZOマリン)で5年目にしてプロ初先発。七夕に77球、6回1失点の好投で悲願の初白星をつかんだ。右肘の故障、手術、リハビリ、戦力外、育成再出発…数々の苦難を乗り越えた右腕が試合後に語った「そういうヤツこそ、チャンスをもらった時こそ強いんだぞってところを見せたかった」という言葉が印象的だった。

シーズン当初の試合日程に、この日の試合は組まれていなかった。4月15日に雨天中止となった分が組み込まれて生まれた試合。同28日にNPBから追加日程が発表された時、まだ育成選手だった田中は、約2カ月の期間でアピールに成功。降って湧いた先発スポットを勝ち取った。

新庄剛志監督(50)が意図していたかは分からないが、就任直後の昨秋は田中に「スターになろう」と声をかけていた。7月1日に行われた支配下復帰の会見に同席した際は「キャンプ中から、この時期くらいに背番号を若くして1軍で投げさせたいなぁ、という気持ちでブルペンを見ていた。スター候補の1人として」と明かしていた。そんな田中を七夕にプロ初先発させるのも粋な決断だ。

期待に応え、田中は七夕ナイターでスターになれる資質を示した。1日の会見で「今日は『おめでとう』。7月7日は『ありがとう』に変われるピッチングをしてもらいたい」と話していたもBIGBOSSも、試合後に自身のSNSで「有難う」。星の輝きに負けない、きれいで劇的な幕切れだ。不思議な巡り合わせでつかんだ大チャンスを、一発でつかんだ意味は大きい。スター街道の入り口に立った田中の今後に期待だ。【日本ハム担当 木下大輔】

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