阪神カイル・ケラー投手(29)が家族への思いを口にした。9月12日の中日戦に登板。26度目のマウンドで来日初勝利をつかんだ。試合後に「父に記念ボールを渡したい」と笑顔。試合後は父から「おめでとう」と祝福の電話をもらった。

今季から故郷米国を離れ、日本でプレーを始めたが、遠くから見守る家族は支えになる言葉をかけてくれる。野球を始めた当初、一番に寄り添ってくれたのも父だった。今もケラーの映像を見て、アドバイスを送ってくれる。

「ピッチングコーチとしは、もしかしたら最高のコーチじゃないかも(笑い)。でも、メンタル面や、野球の話を聞いてくれる。相談相手にもなっているし、いろんな意見を聞かせてくれる大切な存在です」

来日して間もない時期。開幕戦から守護神を任されたが、2戦連続で敗戦投手と屈辱を味わった。それでも、野球に対する情熱を失わず、落ちる球を磨き続ける日々。2軍で地道に結果を積み重ねてきた。

1軍に再昇格した後、一時は岩崎に代わり、守護神を任された。最速157キロをマークするなど、調子を上げ、17試合連続無失点を記録。シーズン終盤に存在感を示した。

「お父さんのおかげで今の自分があるし、野球が上手になった。これからも教えてもらうこともありますし、またいろんな話をしたいな」

遠く離れた家族の支えがあるからこそ、心身ともに最高のパフォーマンスができるのだと感じた。【阪神担当 三宅ひとみ】

阪神カイル・ケラー(2022年7月28日撮影)
阪神カイル・ケラー(2022年7月28日撮影)