オオタニさんが来た。侍ジャパン大谷翔平投手(28=エンゼルス)がWBC参加のために日本に来た。選手とファンだけでなく、1人の野球ファンとして記者自身も胸が躍った。普段は巨人担当記者。生で見るのは初めてだった。高橋宏が「やっぱり自分もまだファン目線といいますか、本物やという感じ」と話していたように、いつも映像や紙面で見るスターが目の前にいる、不思議な感覚だった。

生で見て何よりびっくりしたのが顔の小ささだった。そもそも小さい顔に193センチの長身、さらに肩幅ががっちりした体格の良さも相まって、小顔がいっそう引き立つ。ぱっと見ただけでも違和感を感じるレベルだった。山川も6日の決起集会で2ショット写真とともに「遠近法とか言われるけど確かにそう。俺は顔でかい。笑 ちゃう。しょーへいが顔小さいんだっ!」と投稿。大谷と写真撮るときには2、3歩下がらないと自分の顔が大きく見えてしまって“公開処刑”されてもおかしくない。そう感じさせられるレベルの小顔だった。

アメリカナイズされたリアクションや表情の豊かさも意外だった。あえてチームを鼓舞するためかもしれないが、ベンチでチームメートのヒットにも立ち上がって大喜びし、くしゃっと笑う。ファンも大注目の打撃練習ではこれでもかと特大アーチを連発して、派手なガッツポーズで盛り上げる。これだけ注目されれば重圧もかかるし、おとなしく淡々としていてもおかしくないが、そのレベルは超越しているのだろうと思う。

1つだけ後悔があるとすれば、直接質問するチャンスでビビってしまったこと。ミックスゾーンで囲み取材となったが、ためらってしまった。一生に1度あるかないかの好機で、勇気を出せなかったこと、前もって聞きたい事を頭に入れる準備力と質問をすぐに思い付く瞬発力がなかった。記者としてまだまだ未熟だと痛感させられた。

ただ、まだWBCは続く。16日の準々決勝イタリア戦にはリアル二刀流で出場するもようで、アメリカに飛ぶ前、日本での最後の舞台となる。後世にも語り継がれること間違いなしの大スターの一挙手一投足に注目したい。【侍ジャパン担当 小早川宗一郎】