中日福敬登投手(30)が4日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(ナゴヤ)で実戦復帰を果たした。6回から2番手で登板し、1回を2奪三振1安打1四球で無失点。199日ぶりの19球で復活を告げた。

昨年9月17日ヤクルト戦(バンテリンドーム)でリリーフ登板した際に、左足に違和感を覚えて降板。しびれが生じる、国が難病指定する黄色靱帯(じんたい)骨化症の診断を受け、10月末に胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術を受けた。それ以降、懸命にリハビリを続け、ようやくマウンドに戻ってきた形だ。

「しびれてるかもとか、嫌な感情もあった。(去年の)最後のマウンドでも、足の感覚がないまま投げてたわけですから、そういうトラウマ的な部分があったのかも。それぐらい不安も入り交じってたですね」

ナゴヤ球場三塁側ブルペンから復帰マウンドに向かう際には、左ももをたたいて足の状態を確認した。ファンからの拍手も背中を押した。最速は140キロを計測。「いろんな感情が入り交じったマウンドでしたね」と感触をかみしめた。

「去年、いい成績を残したわけでもない。アピールして、1軍で使ってもらうことを考えたら、『投げられました』だけでゲームに参加するのが嫌だった」

復活マウンドは調整ではなく、万全の準備で上がった。「中1日で投げます、投げませんとやってたら、自分の気持ちもぬるくなる」と連投さえ想定していた。6日のオリックス戦では142キロを計測。さらにギアを上げた。

昨年8月に福と同様の手術を受けたDeNA三嶋一輝投手(32)は1日の阪神戦(京セラドーム)で1軍復帰登板を果たしている。「三嶋さんがオープン戦で投げたときに『絶対大丈夫。全然投げられるよ』と言われていた。今日投げてみて大丈夫なんだと、しっかり思えた」。復活したリリーフ右腕への追走もモチベーションにする。

現在、1軍の左腕リリーバーは砂田だけ。「伸びしろしかない。投げまくっていいかな」。20年最優秀中継ぎ左腕の戦列復帰がカウントダウンに入った。【中日担当 伊東大介】