<ソフトバンク1-3楽天>◇26日◇東京ドーム

「お祭り」はフィナーレが楽しい、そう思ってソフトバンクのサヨナラ勝ちに期待したが、残念ながら9回無死一塁から逆転劇は生まれなかった。ホークスのシーズン恒例となった「鷹の祭典」。今季もなぜか本拠地ペイペイドームではなく、東京ドームからの「開幕」となった。終幕は4万人を超える大観衆のため息だった。

試合前には孫オーナーが人生初? の始球式。3年ぶりのV奪回に向け昨オフから巨額の補強費をつぎ込んだだけに、総帥の覇権への意気込みも強い。「何でも一番がいい。どんどんぶっちぎって優勝してほしい」。あらためてチームを鼓舞していた。交流戦Vは逃したものの、リーグ戦が再開し、オリックス3連戦でカード勝ち越し。首位奪回で東上し、さらに勢いに乗りたかったところだが、打線はマー君を攻略できず柳田のソロ1発のみに終わった。最下位の楽天に足をすくわれ3位転落。昨年は1勝8敗と大きく負け越してしまった「鷹の祭典」だが、2年連続で苦汁をなめるわけにはいかない。

打線は散発5安打に終わったものの、この日も1番一塁で先発出場した中村晃の安定した守備は目を引いた。降板後、先発和田も「何度も野手に助けてもらった」と述懐していたが、中村晃は2度のワンバウンド送球を簡単に処理。2回の村林の二塁内野安打では捕球の際に村林に激突しながら、すかさず三塁走者をけん制した。7戦連続安打に加え、守備の貢献度も高い。打ち勝つこともさることながら、チーム全体で、さらに守って勝つ「堅守」の意識も高めてもらいたい。【佐竹英治】