巨人ドラフト4位ルーキーの門脇誠内野手(22)が、「たまらん守備」を連発している。開幕から1軍で存在感を示し続け、ここまで66試合に出場し、失策は6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)での送球エラー1つのみ。いまだに捕球のエラーはない。新人ながら球際の強さと守備範囲の広さから、何度もチームを救ってきた。「(大学時代は)ここまで守備で活躍出来るとは想像してなかった。今は自信になってます」と武器にする。

新人離れした守備力の裏には、球界最高峰のショートのアドバイスがあった。交流戦期間中の6月14日西武戦の試合前。元木作戦兼内野守備コーチから「いろいろ聞いてこい!」と送り出され、中山とともに西武源田のもとを訪れた。侍ジャパンの正遊撃手でゴールデン・グラブ賞を5年連続受賞中の名手に、悩んでいた課題をぶつけた。

遊撃では併殺プレーなどもあり、リリースする2本の指に瞬時に縫い目を合わせることができず、不安があった。「握り替えをスムーズにするにはどうしてますか?」と尋ねると、源田からの返答は新しい感覚のものだった。「人さし指か中指のどっちかに、縫い目のどこかしらを引っかけること。あとは縫い目がどこかに引っかかっていれば、安定したスローイングができるようにしておくこと」。

「縫い目のどこか」が引っかかった状態で安定した送球ができるように練習しておけば、ギリギリの場面でも「縫い目のどこか」さえ見つかれば良いと安心感につながる。目からうろこのアドバイスをもらってからは、試合前のノックで、あえて片指だけ縫い目にかけた状態での送球練習を繰り返した。以降送球エラーは1つもない。

守備範囲の広さは、細部のこだわりからも生まれる。練習から届くか届かないかギリギリの打球と判断すると、走りながらはめているグラブを手のひらの半分ほど浅くして、物理的にグラブの先までの距離を長くする。「(打球が)遠い、と思ったら結構やります」と得意技だ。

グラブにもこだわりがある。源田と同じくグラブの小指部分に小指と薬指の2本を入れる2ピースで、ポケットは深い。「外野用グラブの小さい版みたいなイメージ」と捕球重視を突き詰める。それも、スローイングに自信があるから。「そっち(捕球重視)の方が確率高いなと。まず優先で捕ること」と、自らの長所をよく理解する。

守備の名手として、目指すのは後半戦ノーエラー。そしてゆくゆくは遊撃のポジションを確保すること。「ショートは1番中心になるのでそこで出たいというのはあります」。鉄壁の守備でチームの骨格を背負う存在になる。【小早川宗一郎】