阪神の木浪聖也内野手(29)は、球団史上「最強の8番打者」へ歩みを進めている。14日現在、8番での先発出場は91試合。このペースなら、年間125試合に達する計算だ。チーム最多先発8番出場の、シーズン記録更新が濃厚である。アレへの貴重な脇役が、渋く歴史を塗り替えようとしている。
過去に阪神でこの打順で100試合以上スタメン出場した選手は5人。最多は03年の藤本敦士の118試合だ。チームはこの年、18年ぶりのリーグ優勝を飾った。捕手の矢野輝弘(後に燿大)が、セ3位となる打率3割2分8厘と大当たり。このため矢野が主に7番に入り、藤本がその後ろに回る形となった。
藤本はレギュラー遊撃手としてシーズン通算121安打を記録した。このうち先発8番で放った117安打は、この打順での球団最多だ。また年間通して打率3割1厘で、セ11位にランクイン。先発8番での試合に限れば3割9厘で、下位ながら打線に厚みを与えた。
今季の木浪は、全88安打を先発8番で打っている。シーズン換算なら121安打となり、藤本を上回ることができる。出場試合、安打数とも、球団最高の8番打者が誕生する。
木浪は昨季は合計41試合の出場にとどまり、先発出場は25試合だった。遊撃でのスタメンに限るとわずか6試合で、中野の陰に隠れた存在だった。今季から指揮を執る岡田監督が中野を二塁に回し、空いた遊撃を見事に務めあげている。
1年目の19年には113試合に出場し、開幕戦にも1番打者として先発していた。再び巡ってきたチャンスをものにしての活躍は、特筆に値する。力がありながら出番を失っている多くの選手にとって、大きな励みになることだろう。
【記録室 高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)




