中日のドラフト6位田中幹也内野手(22)が20日のウエスタン・リーグ広島戦(ナゴヤ)で実戦復帰した。

5回2死一塁で福田の代走で出場。アキーノの一塁内野安打で自慢の足を披露し三塁を陥れ、直後のボークで本塁へ生還した。

田中はルーキーイヤーの今年、キャンプ、オープン戦で存在感を発揮。開幕1軍をたぐり寄せたかに見えたが、3月19日の楽天とのオープン戦で右肩を脱臼し手術を受け、リハビリ生活を続けてきた。「シーズン中に復帰できてうれしい」と喜びをかみしめた。27日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(杉本商事バファローズスタジアム舞洲)では公式戦初スタメンとなる「1番・指名打者」で出場。公式戦初安打をマークするなど2安打1盗塁と来季へ猛アピールした。

開幕から見つめたのは、画面越しに見る1軍の試合。同期入団の村松、福永が実戦で数字を刻んだ。ライバルの活躍に歯ぎしり。それでも中日の試合だけでなく、巨人戦も見つめた。視線の先にいたのは巨人ドラフト4位で同期同学年の門脇。新人として二遊間、三塁のユーティリティーとして定着。122試合に出場し、打率2割5分9厘、3本塁打、21打点(27日現在)の成績を残す。「高校も同じ東京でやってました。その時からすごい選手でした。負けたくないと思いながら見ていました。守備も打撃もすごいものがある」。連絡先も知らないが、名門チームで存在感を発揮したライバルの活躍を目に焼き付けた。

リハビリ中のテレビ観戦では、心の中で打席に立ち、守備につき、ダイヤモンドを駆け抜けるイメージトレーニングを続け、10月9日から始まる宮崎でのフェニックスリーグ参戦。右肩の状態を見ながら、10月中旬には守備での実戦復帰も想定する。「長い間活躍できるようにやりたい」。背番号「2」の目が、6カ月ぶりに輝きを放っている。【中日担当 伊東大介】

9月20日、ウエスタン中日対広島 5回裏中日2死一、三塁、玉村のボークで生還しナインとタッチを交わす田中
9月20日、ウエスタン中日対広島 5回裏中日2死一、三塁、玉村のボークで生還しナインとタッチを交わす田中