大卒2年目でプロ初勝利を挙げた阪神岡留英貴投手(23)は家族思いの心優しい男だ。1日の広島戦で4回の場面で登板。1回1/3、1安打1失点で、プロ初白星がついてきた。
21年ドラフト5位入団。1年目は交流戦時期にプロ初昇格した。ちょうどその頃、地元・沖縄から応援してくれる家族へプレゼントを送ることも考えていた。かばん、服、食べ物…。いろんな案が浮かんだが、父邦英さん(58)にはリクエストもあって財布をプレゼントすることにした。
要望があった、小銭が分けられるようにポケットが2つある財布をたくさん探して吟味。邦英さんの要望をすべてかなえた財布を贈った。邦英さんも「ずっと楽しみにしていたので、うれしいですよ。大切に使いたい」と感無量だった。
喜びの声を聞いた右腕もほっと一安心。「これから、もっと親孝行できるようにファームで鍛えたいです」。結局1年目は登板機会が巡って来なかったが、1軍での好投で家族が喜んでくれる顔を浮かべ、一生懸命練習に取り組んだ。
初勝利を決めた後も「親からもLINEが来てたので、それがうれしかった」。プレーで親孝行を実現した背番号64。家族の存在が何よりも力になる。【阪神担当=三宅ひとみ】