<ソフトバンク9-7オリックス>◇19日◇ペイペイドーム

勝敗の行方はどちらに転ぶかわからない、文字通りのシーソーゲームだった。試合後、疲れた背中を伸ばすように反らせ、ソフトバンク王球団会長は本拠地ドームの通路に姿を見せた。

「しんどかったけど、勝ってよかったね。(点を)取ったり、取って取られたりだったね。山川のホームランは大きいね。打った瞬間、ホームランだったからね」。ハラハラドキドキの展開も、4回に主砲山川にペイペイドームで初となる豪快3ランが飛び出した。王会長も満足そうだった。

ただ、まだまだ試合はもつれた。5回に1点を返されると、6回には3番手杉山が3連打を浴びて2失点。1点差に詰め寄られた。これまでとは違ったプレッシャーもあったろう。登板6試合目での今季初失点に降板後は悔しさをあらわにしたが、2点を失った直後の無死二塁から3人で片付けたのは大きかった。

ゲームの分水嶺(れい)となったのは「送りバント」に思えた。1点差に迫られ、さらに杉山が背負った6回無死二塁。オリックス福田は初球バントを試みたが、失敗(一邪飛)。その裏、ホークスは先頭の周東が死球で出塁すると続く今宮がきっちり初球を転がし、犠打を成功させた。2死後、山川の左前打で2点差に。リードを保った終盤はホークスが必勝リレーで逃げ切った。両軍合わせて25安打、4本塁打の乱打戦を制したのは「1つの犠打」だったように感じた。