広島の新外国人トリオのそばには、ラスボス感を漂わせる通訳が寄り添っている。1980年4月6日生まれ。日本でいえば「松坂世代」のフアン・フェリシアーノだ。カープドミニカアカデミーから広島に02年に入団し、06年まで日本でプレーした。現役引退後は自身が育ったカープドミニカアカデミーでコーチを務め、19年からヘンディ・クレートと入れ替わるように母国と日本を行き来している。
今季、広島に加わったエレフリス・モンテロ内野手(26=ロッキーズ)、サンドロ・ファビアン外野手(26=レンジャーズ)、ジョハン・ドミンゲス投手(29=ホワイトソックス3A)はいずれもドミニカ共和国出身だ。米国でのプレー経験が長く英語も話すことができるが、母国語であるスペイン語を話せる環境は彼らにとってプラスだろう。
16年に中日から加わったエクトル・ルナにクレートが付いたこともあったが、フェリシアーノがアカデミー出身選手以外の選手に付くことは珍しい。3選手のキャンプに取り組む姿勢について聞いてみた。
「すごく真面目。若い選手の練習をよく見ている。どんな練習をしているのか。何かを学ぼうとしているのが伝わってくる」
10代の頃にカープアカデミーに所属していたドミンゲスを、フェリシアーノは直接指導している。「日本人投手の投げ方に近かった。まだ球速は145、6キロくらいだったと思うけど、楽しみな選手だった」。数カ月のみの在籍も、今でも覚えている。成長した姿で今年、再会できてうれしそうだった。
沖縄に移動した2次キャンプ初日の練習後には、球場から約4キロ離れた宿舎まで4人で歩いて帰って行った。「途中でタクシーに乗るかもしれないけどね」。そう笑いながら出発したが、最後まで歩いて約1時間かけてホテルに到着したという。「沖縄の街をより知りたいと歩くことになった。それも勉強。選手たちは楽しみながら歩いていたよ」。フェリシアーノの笑顔とともに、3選手の表情も緩む。
ラスボス感漂うフェリシアーノは新外国人3選手の通訳であり、相談役、兄貴分…と何役もこなす。彼らにとってはまさに“ボス”のような存在なのかもしれない。【広島担当 前原淳】




