キャンプ2日目はBIG組の名護で新庄監督を追った。2つの練習メニューから、BIGBOSSの狙いが透けて見えた。

日本ハム金子コーチ(右)にフラフープの間に送球する練習について説明する新庄監督(撮影・河野匠)
日本ハム金子コーチ(右)にフラフープの間に送球する練習について説明する新庄監督(撮影・河野匠)

1つ目は野手がフラフープを使って行った送球練習。低くて強いボールを投げることの意識付けが狙いだ。送球時に気を付けるポイントは浮かせずに相手が捕球しやすくて強いボールを投げられるか。新庄監督はめちゃくちゃ肩が強かったので、バックホームでは、たたきつけるように自身の腰くらいの高さで投げてストライク返球をしていた。

フラフープの間にボールを通す日本ハム五十幡(手前)(撮影・河野匠)
フラフープの間にボールを通す日本ハム五十幡(手前)(撮影・河野匠)

意識していても、練習と試合では力の入れ具合がどうしても変わる。だから、練習時から強く意識を持つことが大事。そして試合で「これのことか」と分かった瞬間に最終的に引き出しになる技術だ。私の場合は目線の高さで投げないとダメだと試合の中でコツをつかんだ。常に意識していないと、つかむことはできない感覚がある。

阪神藤浪の映像が流れる高速投球マシン(撮影・黒川智章)
阪神藤浪の映像が流れる高速投球マシン(撮影・黒川智章)

2つ目はマシン打撃。阪神藤浪の映像から放たれるボールは140キロ台で、その速さに驚いた。この時期に、あれだけのスピードボールを打った経験はない。3カ月ほど実戦から離れれば、目の慣れや体のキレは付いていかないのが当たり前。多くの選手が振り遅れたり、空振りをしていたのも理解できる。普段なら実戦が始まってから慣らしていく部分だからだ。

なぜ、新庄監督はキャンプ2日目にして速いボールを打たせたのか。1日に国頭で苦言を呈していたように「練習のための練習」という感覚をなくしたいのだと思う。速い球を打つと試合と同じ感覚になれる。マシン打撃は普通に打っていると惰性で気持ちよく打てるもの。ただ、試合で気持ちよく打てなければ意味はない。前倒しで実戦感覚を取り戻せば、実戦では感覚のズレの修正に取り組むなど、開幕前までにできることも多くなるはずだ。

2つの練習で共通するのは、継続していくことに意味があるということ。私は打撃についてになるが、現役時代に新庄監督から言われ続けたことがある。「ポイントを前にして打つだけ。力を抜いて、トスバッティングみたいに打席でボールが見えるようになったらバッターは有利。試合でめちゃくちゃ打てるよ」。この感覚を完全につかむことはできなかったが、意識を持ち続けることで少しは打席の中で力を抜く大事さを理解することができた。

チーム全体で意識付けすることで、大きな方向性を打ち出す。キャンプ序盤でなければ意味がない、BIGBOSSイズムが詰まった2つの練習だった。(日刊スポーツ評論家)

阪神藤浪の映像が流れる高速投球マシンで空振りする日本ハム野村(撮影・黒川智章)
阪神藤浪の映像が流れる高速投球マシンで空振りする日本ハム野村(撮影・黒川智章)