今年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、6年ぶりに開催される。日本は09年の第2回大会以来14年ぶりの優勝を目指すが、徐々に権威が上がってきた大会に、ライバル国も多士済々だ。日本の前に立ちはだかりそうな国や地域を紹介する。

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WBC2大会連続で準優勝を果たした強豪プエルトリコが、初優勝を目指し、今回も一流のトップ選手をそろえて大会に臨む。リンドア(メッツ)コレア(ツインズFA)バエス(タイガース)のメジャートップ遊撃3人衆は、前回大会でも若手スターとして存在感を発揮して準優勝に貢献したが、今大会ではベテランとしてチームの核となる。

攻撃では3人合わせ通算505本塁打の破壊力を持ち、守備では合わせて4つのゴールドグラブ賞に輝くなど攻守で大会屈指の内野陣を形成。コレアは「リンドアにだけは遊撃を譲れる」と前回大会は三塁に回り、バエスも二塁に就き、今回も同様の布陣となる可能性が高いだろう。

WBCプエルトリコ代表予想メンバー
WBCプエルトリコ代表予想メンバー

正捕手のポジションには、昨季限りで現役を引退したレジェンド、モリーナの後継としてメジャー9年目のバスケス(ツインズ)が入る見込み。モリーナほどの実績はないものの、昨季は50試合以上に出場した捕手の中ではメジャー5位の打率2割7分4厘を打ち、パワーも併せ持つと同時に守備にも定評のある頼もしい存在だ。

これまで代表チームの支柱となってきたモリーナは、今大会で代表監督に就任し、指導者としてのデビューを飾る。名捕手として鳴らしたその頭脳とリーダーシップが監督としても発揮されるか注目される。またモリーナ監督を支えるコーチ陣には、通算434本塁打を放った元レンジャーズのゴンザレス氏が加わり、コーチ陣もスターぞろいとなる。

プエルトリコ代表監督に就任するモリーナ(手前)
プエルトリコ代表監督に就任するモリーナ(手前)

もう1つチームの強みは投手陣。先発には通算72勝54敗のブルージェイズのベリオス、19年球宴選出のカブスのストローマンと、メジャーで実績のある投手が名を連ねる。ストローマンは17年の前回大会では米国代表として優勝しMVPに輝いているが、今回は「母の母国の代表としてプレーすることに興奮している」とチームを乗り換えての2大会連続出場となる。

ただし先発投手陣は層が薄いため、リリーフ陣の働きがチームの鍵になりそうだ。平均99マイル(約159キロ)の剛速球を持ち通算205セーブで今やメジャー屈指の守護神となったメッツの右腕E・ディアス、昨季新人で2桁セーブと防御率1点台を記録したレッズのA・ディアス、メジャー6年で通算20セーブと58ホールドを記録しエースセットアッパーに成長したブレーブスのヒメネス、メジャー7年目の昨季に急成長し、23セーブを挙げたツインズのロペスらが名を連ねる強力ブルペン。対戦相手にとっては、試合後半で得点するのが至難の業となりそうだ。【水次祥子】