巨人のルーキー大勢投手(22)が守護神として躍動。開幕戦でいきなりセーブを挙げると、失点した試合こそあったもののセーブ失敗はなく、8試合で1勝7セーブ。デビューから7試合連続セーブの新記録をつくるとともに、巨人の新人では初の2桁セーブが見えている。

シーズン10セーブの到達ペース上位
シーズン10セーブの到達ペース上位

ここまでのセーブ数は新人ということを抜きにしても速いペースだ。過去のシーズン10セーブ目が早かった投手を調べると、最速は08年藤川球児(阪神)のチーム19試合目。大勢は15試合で7セーブだから、藤川を上回る最速到達のチャンスがある。藤川の記録には届かなくても、巨人では13年西村の23試合、新人としては15年山崎康(DeNA)の31試合が最速で、この記録は更新できそうだ。

東京ドームで何セーブできるかにも注目したい。大勢は同球場では5試合で4セーブしているが、巨人の新人で複数セーブしたのは大勢が初めて。過去は97年入来、02年鴨志田、12年高木京の3人がセーブを挙げていたが、誰も2セーブ以上はしていなかった。他球団も含めると、同球場の新人最多セーブは昨季の栗林(広島)で7セーブ。この記録は他球団の選手ではなく巨人の選手が持っておきたいだけに、7セーブは更新したいところだ。

東京ドームでのシーズンセーブ数上位
東京ドームでのシーズンセーブ数上位

ちなみに、新人に限らず東京ドームでのシーズン最多記録は08年クルーンの21セーブ。20セーブ以上はクルーンと15、16年の沢村の2人(3度)だけだった。本拠地の試合では延長戦に入ると勝つ時はサヨナラしかないので、セーブ機会が9回表しかない。本拠地でセーブ量産は意外と難しく、さらに1発の出やすい東京ドームではより難易度が上がることになる。快調にセーブ数を増やしている大勢がどこまで数字を伸ばすかに注目していきたい。【多田周平】

巨人大勢(2022年3月26日撮影)
巨人大勢(2022年3月26日撮影)

◆大勢(翁田大勢=おうた・たいせい)1999年(平11)6月29日、兵庫・多可町生まれ。西脇工では2年秋からエース。関西国際大4年秋157キロを計測。21年ドラフト1位で巨人入団。今季開幕戦で初登板初セーブを記録した。181センチ、88キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1600万円。