今年もわずかとなる中、阪神からなかなか“楽しい発表”がありました。かねてウワサされていたファーム施設の移転が正式決定し先日、発表されたのです。

現在の鳴尾浜(兵庫県西宮市)から小田南公園(同尼崎市杭瀬南新町)に移転するそう。球団創設90年となる4年後、25年2月の施設オープンに向け、準備が進んでいきます。

施設の充実は当然期待するとして、何が楽しいのか。それは最寄り駅の名称です。新しい拠点は阪神電車の「大物駅」から徒歩約5分。阪神「甲子園駅」などからバスに乗る現在の鳴尾浜よりも交通アクセスが良く、利便性も高い。そして何よりその「大物駅」という名前です。

関西在住の方なら読めるかもしれませんが恥ずかしながら社会人になるまで読み方を知らなかった。難しい駅名というのは結構多く、その沿線の住民ではなければ読めないことも。それにしても自分の生活エリアからほど近いのにまったく知らないのは驚くほどでした。

説明は不要でしょうが正解は「だいもつ」。知らずに読めば「おおもの」と言ってしまうかもしれません。

「大物の地名由来には諸説ありますが、平安時代に港町として栄え、西日本各地からの材木の集散地として知られるようになり、取引された巨材を意味する『大物』から、この地を大物と呼ぶようになったとの説が有力です」

尼崎市のホームページにはこんな説明が掲載されています。各地から“大物”が集まってくる場所…。そこに阪神のファーム施設があるというのですから最寄り駅、地名としては、かなり縁起がいい気がしてくるのです。

いまの阪神に欲しいのは誰もが大物(おおもの)として認める存在の選手でしょう。前半戦に大ブレークした佐藤輝明の成長はもちろん、大砲候補・井上広大、ルーキー森木大智らが大きく育ってほしい。そんな若者が日々、鍛錬する大物の施設。「おおもの」と口にするとなんだか楽しくなるのです。【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「高原のねごと」)