大阪桐蔭の春夏連覇で幕を閉じた第１００回全国高校野球選手権記念大会は、遊撃手に好選手がそろった大会だった。今秋ドラフト１位候補の大阪桐蔭（北大阪）の根尾昂（３年）、同１位候補の報徳学園（東兵庫）小園海斗（３年）は頭一つ抜けた存在。「トップ２」の他に、光った選手を挙げる。

　筆頭なのが、常葉大菊川（静岡）の奈良間大己（３年）。静岡大会で驚異の８割１分８厘をマークし、甲子園でも初戦の益田東（島根）戦でマルチ安打。中堅バックスクリーンへの１発も放った。打撃とともに、守備ではフットワークの良さを披露。高校日本代表にも選出された。

　巧打をアピールしたのは、慶応（北神奈川）の宮尾将（３年）だった。初戦の中越（新潟）戦では広角に打ち分け、９回にはサヨナラ打を放った。龍谷大平安（京都）松田憲之朗（３年）は、１８２センチ８４キロの大型内野手。スケールの大きさが目を引いた。日大三（西東京）日置航（３年）は攻守に安定し、冷静な打球処理、勝負強さが光った。

　２年生では、埼玉の２人がポテンシャルの高さを示した。浦和学院（南埼玉）の１番中前祐也は、大阪桐蔭戦で根尾、柿木から安打をマーク。攻守で能力の高さをアピールした。花咲徳栄（北埼玉）の韮沢雄也は、抜群のバットコントロールで２試合連続で安打を放った。

　１年生では、星稜（石川）内山壮真、近江（滋賀）土田龍空が将来性の高さを感じさせた。今夏は遊撃手以外でも、花咲徳栄・井上朋也外野手、二松学舎大付（東東京）、山田将義捕手、明石商（西兵庫）中森俊介投手らスーパー１年生が活躍。１００回の記念大会を飾った。

【久保賢吾】（ニッカンスポーツ・コム／野球コラム「野球手帳」）