準優勝に輝いたJBC日高ブレイヴのナインたち(撮影・山崎純一)
準優勝に輝いたJBC日高ブレイヴのナインたち(撮影・山崎純一)

北海道胆振東部地震から1年余り、被災地に球児の声が響いた。5日に富川球場(日高町)で行われた「少年野球 門別大会」。始球式には日本ハムのマスコット、フレップが登場し、プレーが可能なまで修復された同球場での大会を彩った。

昨年9月の震災で、左翼奥の土手が大きく地割れし、傷んだフェンスは撤去された。球場修復へ、救いの手を差し伸べたのが日本ハムだった。昨年11月に実施した復興支援チャリティーオークションで集まった540万1000円から、同球場には151万5600円が贈られ、今後はバックスクリーン修復が予定されている。

この日は同町や、むかわ町などから8チームが集まった。その中に1人の少女がいた。JBC日高ブレイヴの背番号10、飯泉百華さん(日高門別小6年)。チーム唯一の最上級生で主将。初戦から決勝を含む3試合で投手兼遊撃手、1番打者としてチームをけん引した。結果は準優勝も「去年はここで大会ができなかったので、今年は試合ができてうれしい」と笑みを浮かべた。

二塁へ鋭い打球を放つJBC日高ブレイヴの飯泉百華さん(撮影・山崎純一)
二塁へ鋭い打球を放つJBC日高ブレイヴの飯泉百華さん(撮影・山崎純一)

自宅は地震発生から停電が続き「お風呂も冷たい水じゃなきゃ使えなかったり、電気がつかないからテレビも観られなかった」。通電後も使える施設は限られ、思うように練習できなかった。そんな中、日本ハム栗山監督に勇気をもらった。昨年12月、むかわ町で交流する機会があった。「話すことはできなかったけど、会えてうれしかった」。プレゼントされたサイン色紙は、大事に部屋に飾ってある。

今季は「NPB12球団ジュニアトーナメント2019」に出場する日本ハムファイターズジュニア入りを目指し、9月下旬の最終セレクション(39人)まで残った。「女子プロ野球選手になりたい」という少女は来春、日高門別中に進学。野球部と並行して、女子軟式野球チーム「札幌シェールズ」でのプレーを希望している。【山崎純一】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

ボールを手に笑顔を見せるJBC日高ブレイヴの飯泉さん(撮影・山崎純一)
ボールを手に笑顔を見せるJBC日高ブレイヴの飯泉さん(撮影・山崎純一)