京都国際が2年ぶり3度目の出場となった今夏の甲子園を制した。夏に限れば68年ぶりに深紅の大優勝旗を京都に持ち帰った同校。前身が京都韓国学園というルーツもあり、野球だけでなく、韓国語の校歌について話題になることも多かった。
主将の藤本陽毅内野手(3年)は決勝後、「批判されることに関してはしょうがないなと。つらいと思うこともあるが、本当に『小牧(憲継監督)さんのもとで野球がしたい』という思いだけだったので。そこに関してはあまり僕は気にしていない」と冷静だった。一方で「今まで応援してくれた人たちのために絶対に勝ってやろう」と懸命に感情をコントロールしていたことも明かした。
そんな生徒たちの複雑な胸中を気遣い続けていたのだろう。同校の岩淵雄太コーチ(32)は校歌の今後について提言を残した。
「人間なので思いはある。そこだけに悲観するのではなく、応援してくれている方もいる。例えば甲子園全体がブーイングしていたら『うーん』と思うけど、野球が好きな人に認めてもらえたら良いのかな」
そう丁寧に前置きした上で、変化の重要性も力説した。
「なくす必要はない。先輩や歴代の先生や保護者の思いも組み込まなければいけない」と現校歌を尊重しながら、野球部も含め「一般の生徒を守ってあげないといけない」とも強調。「良いところは残して、10年後など先のこととかを考えると、時代に沿った歌詞や曲を作ることも良いのでは」とイメージした。
岩淵コーチは生徒思いの気さくな性格。日本一達成の直後には「子どもらの頑張りもあって、今までの先輩方が引き継いでくれたバトンをちゃんとつなげられて本当に良かった。夢のよう」と感無量の表情を浮かべていた。そんな指導者だから余計に、子供たちの気持ちを何よりも大切にしたいのだろう。
「子どもたちを守るために、安心できる環境を作れるように大人が配慮できたら…」
先人へのリスペクトも忘れることなく、一教師として思慮を巡らせている。【塚本光】




