5回裏1死満塁、併殺を完成させた糸原を指さし雄たけびをあげるガルシア(撮影・上田博志)
5回裏1死満塁、併殺を完成させた糸原を指さし雄たけびをあげるガルシア(撮影・上田博志)

こういうのを「首の皮1枚の勝利」と言うような気がする。首位広島にたたきつぶされそうな連敗を喫した後の3戦目。阪神打線が奮起し、7点を先制した。どういうわけかガルシアには「7点」がついて回り、3試合続けて7失点した後は2試合連続で味方が7得点しての白星となった。

だが2回に7点をもらい、これは楽に勝てるかと思ったものの6回に5失点。一転、ヒヤヒヤの勝利となった。それでもガルシアの自責点は2。この回に「1イニング3失策」が出たからだ。これは00年10月6日ヤクルト戦(神宮)以来、19年ぶりとか。プロではめずらしいことだ。

まず1死満塁から広島田中広輔の左前打を高山俊が本塁へ悪送球した。バックホームがそれるのは、まあ、あることだ。驚いたのは2死二、三塁に変わってから1番・野間峻祥が遊撃内野安打を放ったときだ。

野間のボテボテの当たりを遊撃・木浪聖也は懸命に一塁へ投げたがセーフ。しかし捕球した一塁手マルテが二塁から三塁へ走った田中を刺そうと投げた球がそれた。これを三塁手・大山悠輔がなんとか止め、本塁へ投げたがこれがワンバウンドになってしまう。

野球は1プレー、1プレーで切れていくのが普通だがこのときばかりは内野の間を球がグルグル回り、しかも1つもアウトにできない状況を展開。「あー」「わー」と両軍ファンの歓声と悲鳴が長々と続き、ある意味、この試合でもっとも沸いた場面となった。

勝利後、内野守備走塁コーチの久慈照嘉に「なかなか見ない光景だったけれど…」と聞いてみる。

「みんなアウトにしようと思って投げているんでね。ムダなことをしているわけではない。ボクの立場で仕方ないと言えないですけど、そこはね。でも4つもエラーが出たら普通は負けています。投手陣にはお礼を言っておきました」

木浪が3回に遊撃へのゴロを失策しているので久慈の言う通り、この試合で阪神守備陣は4失策。2回に打撃の殊勲者・梅野隆太郎も捕逸を記録している。

これで阪神は「47失策」だ。この日、連敗を止めたヤクルトを抜いてセ・リーグのワーストとなった。守備の課題は簡単には解消しないが久慈の言うように勝てたことは大きい。これで阪神はセ6球団が苦手とする交流戦に「貯金5」で突入。ここは、まさに「締まっていこうぜ」だ。(敬称略)

広島対阪神 9回に登板し無失点ピッチングで締めたドリスと笑顔を見せるナインたち(撮影・加藤哉)
広島対阪神 9回に登板し無失点ピッチングで締めたドリスと笑顔を見せるナインたち(撮影・加藤哉)