決断は重要だが、それが難しい。29日に予定されていた中日戦は粘った揚げ句、午後6時30分に中止になった。それまでに強く降った雨はその時刻にはやんでいた。しかしグラウンドコンディションは厳しく、結局、中止となった。
もう少しで夏休みも終わり。試合があると信じて雨の中で待っていたファンは家族連れを中心に肩を落とした様子だ。直接、関係ないが、なんとなく申し訳なく思ってしまう。
「今季初」の試合が雨で流れたことも残念だった。開幕から4番打者を任されながら満足できる結果は残せず、4番から外れていた大山悠輔がスタメンからも外れた。虎番記者の記事にある通りだ。それがどんな試合になるのか見てみたかったが雨には勝てない。
以前にこの欄でこんなことを書いた。「今年は貫けばいいと思うけれど来季の4番サードは他にも候補がいるのでは。例えば北條史也」。そう書いたら、すぐ大山は4番を外れた。そしてこの日、大山に代わって、北條が6番サードで入っていた。
指揮官・矢野燿大が虎番キャップたちに話をしている頃、こちらは敵将・与田剛の元に走った。
「矢野監督は大山を外してきた。チームの形を変える時期に来ていると思う?」。中日担当記者の取材が終わるのを待ち、与田に少し聞いてみた。いつものようにさわやかな表情の与田はこんな話をした。
「そうですね。選手起用は相性とかデータとかもあるんじゃないですか。まあ相手球団のことなんでね。いずれにしても相手が対策をしてくれば、こちらもまた考えるということです」
この日先発するはずだった大野雄大に対し、大山はここまで11打数2安打、2四球の打率1割8分2厘だ。比較して北條は3打数1安打で1四球1犠打の打率3割3分3厘。これを見ればデータ面では与田の言う通りだ。
起用しながら育てる意味で大山にはかなり我慢していたが120試合を超えて決めたということだろう。この決断は重い。大げさに言えば、来季へ向けてかじを切ったということでもあると思う。
大山にすれば黙っていても試合に出られる時期は過ぎたということだ。もちろん北條にとってもそれは同じことだ。この世界、若手もベテランも結果が出なければフェードアウトしていくしかない。(敬称略)




