阪神打線が久しぶりに爆発、3回に5得点のビッグイニングだ。「きょうは楽勝や」。9日ぶりの甲子園ゲームに足を運んだ虎党がそう思ったのもつかの間。直後の4回に先発・西勇輝がつかまる。細川成也の2ランを浴びるなど3失点。まだ分からんな…というムードが流れる。
それを吹き飛ばしたのは5回だ。新鋭・前川右京の三塁打から好機をつくり、この回一気に3得点。さすがにこれで流れは決まった。ここで重要なポイントと思うのは、この回、中日の失策が絡んだことだ。
1死満塁で梅野隆太郎の放った三ゴロに突進してきた三塁・石川昂弥がこれをファンブル。労せずして6点目が入る。続く木浪聖也は2点適時打。取られた3点をそのまま取り返した。
そもそも前川がセンターに放った当たりは確かに大きかったが中堅・岡林勇希はグラブに当てながらはじいている。責められないプレーではあるが「プロならグラブに触れたら取れ」とはよく言われることだ。
さらに言えば前川の後、中日3番手・藤嶋健人は大山悠輔、ミエセスに連続四球を出し、危機を広げた。この回は投手、守備と相手の防御力が弱まったところを阪神が攻め込んだのだ。
「あの失策は大きかったよね。あそこから3点だから。大事なのは相手のああいうプレーを見て、ウチの選手がどう思うか、感じるかですよ。そこが大事」
守備走塁コーチの馬場敏史は石川のプレーに触れ、そう強調した。焦らず一塁で1つアウトを取れば1点は失うものの、それですんだかもしれない。1つのミスから傷口を広げる光景を自軍の選手がどう感じるか。まさに「他山の石」だ。
なぜ強調するのかと言えば、このカードが「守備ワースト対決」だからだ。阪神と中日は試合前まで失策数「46」でワーストタイ。この試合で中日がワーストになったが今後の展開は分からない。
阪神が中日を下し、DeNAはマツダスタジアムで広島に競り負けた。阪神は首位陥落した次戦で再び首位に復帰。25日に敗れた段階でそういうケースもあると書いたが、そのままの状況になった。
もちろん28日の結果で反対の結果になることもある。守備が大事なのは言うまでもないが、しばらく0・5ゲーム差の競り合いが続くのなら、なおのこと重要だろう。馬場の言葉が染みた夜である。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




