6カードぶりの勝ち越しか。こうなれば28日の敗戦がもったいなかった気もするが、とにかく、苦しむ中日相手に快勝である。先発・村上頌樹からの零封リレーもよかったし、打線も活発だったし、もういいところばかり。「これやろ。やっぱり」という試合だ。
楽勝に見えたが勝負を左右するポイントは1回にあったと思う。近本光司、中野拓夢の連打でいきなり無死一、三塁。「先制せなあかん」。そう思っていたが渡辺諒は一ゴロ、大山悠輔は三振とあっという間に2死二、三塁に場面が変わってしまった。ここで無得点に終われば嫌な感じだ。
そこで5番ノイジーは遊ゴロ。「うわっ」と思ったが遊撃・龍空がファンブルしてしまう。阪神はおいしい1点をもらった。続く前川右京も適時打を放ち、さらに1点。村上の調子から言って、ここで試合が決まったと思っても過言ではないかもしれない。
「あれはヒットでもええんちゃうんか。打球の感じから言うても」。ノイジーの当たりについて指揮官・岡田彰布はボソリ。ヘッドコーチ・平田勝男も「安打でもよかったんじゃないの」と話し、虎番記者に囲まれていたノイジーに「なあ」とうながす。すると「ホワイ ノット?」と同調し、いいコンビネーションを見せていた。
それはともかく、このカード1戦目に勝ったときも書いたが阪神と中日は失策数ワーストを争う2球団。それだけに守備はポイントだ。ここでは地味ながら光った阪神の守備について書きたい。中堅・近本光司のプレーである。
ズバリ、3回1死一、二塁から大島洋平が放った中飛と9回、高橋周平は放った中飛である。いずれも左中間に切れていくもの。左打者の打球ということに加え、甲子園の浜風に乗って想像以上に左に切れながら伸び、やっかいという。
「あれは近本ならではのプレーですよ。特に高橋周の打球なんかは他球団だとバンザイしたりすることもある当たりです。打球判断を含め、近本の予測能力ですよね」。外野守備走塁コーチの筒井壮は説明した。
難なく処理しているように見えてもそこにはプロの技術が詰まっているということか。阪神は70試合目をスカッと勝って40勝に到達。一方、DeNAは阪神戦で疲れたのか広島で3連敗である。広島、巨人を含め、セ・リーグはなかなか面白くなってきた。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




