1回、富田蓮が2失点した直後の2回。坂本誠志郎の三ゴロで1点を返したあたりから「なんとなく勝てるかも」と思った虎党も多かったのではないか。そんな期待感あふれる予測通り、阪神が逆転勝利だ。

今季初の4連勝で貯金も今季最多の「4」に。最下位と苦しむDeNAを敵地でスイープである。これでビジターでは10勝1敗と驚異的な強さだ。25日からは逆にまだ2勝と苦しむ甲子園で巨人を迎え撃つ。ここは本拠での「六甲おろし」を期待したい流れだ。

「いいな」と思ったのが、左腕中継ぎ投手に連日、白星がついたことだ。この日は1点ビハインドの6回を無失点で抑えた33歳の岩貞祐太が、味方の逆転で今季初勝利をマークした。

「オジさん、2連チャンですね。うれしいですよ、とっても」。そう話したのは島本浩也である。前日は同点の9回裏を抑えた32歳の島本が延長10回、大山悠輔の決勝弾により、これも今季初勝利を得ていた。

還暦を超えたこちらからすれば「30そこそこで“オジさん”もないやろ」と思ったりするのだが、やはり、スポーツの世界はそういうものだろう。

なにしろ、この2人は1軍に来たばかりだ。岩貞が今月13日、島本も同18日に今季初めて登録された。指揮官・藤川球児は「ブルペンがウチの心臓」という象徴的な言い方をしたが、阪神の強みはまさにそこ。クローザー・岩崎優をはじめ、桐敷拓馬、及川雅貴と特に左腕が強力なのは他球団に誇れる部分だろう。そこに岩貞、島本とくれば、顔ぶれはバラエティーに富む。

先発投手はこの日の富田、前日の門別啓人と一気に若返った感があるが、それを受ける救援で、オジさんたちがしっかり仕事をしているのは好ましい。さらに強みであるブルペンの起用法そのものも、指揮官はまだ思考しているようだ。

「まだ固まらないし、固めてはいけない。その日、その日のゲームを取るっていうのも、形としては、できるようになってはきてると思うんですけど。またどこかでつまずくことがあるんで、つまずかないように細心の注意を払いながら、育てていかなければいけないという時期」

この日、ブルペンについて球児はそんな話をした。自身の専門分野でもあり、こだわりもあるはず。いずれにせよ悩めるほど層は厚い。湯浅京己も昇格し、いよいよ今後に注目だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

DeNA対阪神 6回からマウンドに上がった阪神岩貞(撮影・たえ見朱実)
DeNA対阪神 6回からマウンドに上がった阪神岩貞(撮影・たえ見朱実)
DeNA対阪神 力投する阪神岩貞(撮影・井上学)
DeNA対阪神 力投する阪神岩貞(撮影・井上学)