巨人がリーグ優勝を飾った翌年に阪神がセの頂点に立つという流れは、今回が「02年の巨人V→03年阪神V」以来だ。その03年は闘将・星野仙一の下で18年ぶりリーグ優勝を達成したシーズンである。

それからかなり後になって闘将と当時を振り返る話をする中でこんなことを聞いた。以前にも書いたことが、こういうことだ。なぜ03年はしっかり勝てたのか-。金本知憲や伊良部秀輝の加入などをあげるかと思ったが、少し予想とは違うことを闘将は口にした。

「そらあ、ゴジラが米国に行ったからやろ…」。ゴジラこと松井秀喜が02年限りで巨人を退団し、米大ヤンキースに移籍。メジャー・リーガーになったことを大きな要素としたのだ。「勝負は自分ところの話ばかりじゃない。相手の戦力がどうなるかも大きなポイントなんやぞ」。そうも言ったのである。

この試合を見ながら、なんとなく、その話を思い出していた。今年、もし巨人・岡本和真の長期離脱がなければ、どういうペナントレースになっていたか。他球団でも類似のケースはあるだろうが、特に「岡本不在の巨人」は大きく影響したと思う。もちろん、阪神の総合力が高いことに違いはないが、ここまでの独り旅になったかどうか。

今季ラストの「伝統の一戦」は思わぬ乱打戦になった。最後はドリスが打たれてサヨナラ負けを食らったが、正直、勝敗そのものに大きな意味はない。先発・高橋遥人が1回に自分の失策から4失点してしまったのは今後の反省点だろう。

そこを含め、いろいろな要素はあったと思うが阪神投手陣にとって巨人の主砲・岡本の働きはかなりこたえたのではないか。そんな気はする。1回の打席は先発・高橋から四球を選び、これが一時は巨人の逆転につながった。3回には高橋から二塁打。阪神の大量リードに変わっていた7回には2点適時二塁打である。8回には2つめの四球を選んだ。「一発狙い」をしてもいい試合展開でしっかり集中していた。

指揮官・藤川球児が「大賛成」と言ったCS、そのファイナルにどこが出てくるかは未定だ。もし、それが現状2位の巨人なら岡本への警戒は重要なポイントだろう。最近では誰も言わないが元々、大の虎党である岡本。今季、ここまで甲子園で22打数8安打の打率3割6分4厘という数字を残している。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

巨人対阪神 サヨナラ負けで引き揚げるドリス(撮影・井上学)
巨人対阪神 サヨナラ負けで引き揚げるドリス(撮影・井上学)