開幕戦で北中城(きたなかぐすく)が八重山農林を下し、2年ぶりに初戦を突破した。打線が16安打と爆発。1点を追う4回に2番呉屋龍馬外野手(3年)の2点適時打となる中越え三塁打などで逆転。スタンドから鳴り響く琉球太鼓の音色とともに、その後も得点を重ねた。

 大城勝也監督(50)は「16安打は出来すぎ。勝ってホッとした」。決勝打の呉屋は「初回にバントを失敗していたので、借りを返せてよかった」と笑顔を見せた。エース下條圭太(3年)も、昨夏初戦で打たれて敗れた悔しさをぶつけた。

 沖縄は平年よりも12日早い6月11日に梅雨が明けた。朝9時から炎天下で行われた開会式では、気温30度、湿度70%を超える蒸し暑さに、各チームの選手やマネジャーら約15人が熱中症でダウン。北中城も控え選手1人が医務室に運ばれたが、動揺はなかった。

 学校は県道をはさんで目の前が太平洋。沖縄の海と空の青さを彩った白地にブルーのユニホームがトレードマークだ。バスケットボール部からは多くのプロ選手を輩出しているが、野球部は過去、目立った成績は残せていない。初対戦となった相手の情報を部員たち自ら聞き込みで仕入れ、総力戦で初戦を乗り切った。【福岡吉央】