テレビ収録前の楽屋で行ったインタビュー。ノック音とともに、石橋貴明さん(53)が入ってきた。約束した時間の10分前だ。

 テレビで見る姿と、変わらない口調で、高校野球について語り出す…。予定時間をオーバーしても、笑いあり、涙ありのサービストークを続けてくれた。

 少年時代、毎週土曜日の「ねるとん紅鯨団」でテレビの前にかじりつき、「とんねるずのみなさんのおかげでした」は、もちろん毎週予約を欠かさない。37歳、完全なとんねるず世代の記者にとっては、憧れの人。普段野球選手と接する機会は多いが、芸能人と触れ合うことはめったにない。いつも以上に緊張したが、そんな気持ちを解きほぐしてくれるような、楽しい語り口だった。

 帝京時代のほろ苦い思い出、甲子園への思い、球児への熱いメッセージなどは、30日付の紙面でたっぷり掲載させて頂いた。

 高校野球100周年の今年。石橋さんのもとには、他のメディアからも、インタビューの依頼があったという。

 「まったく同じような企画で話しが来たんだけど、日刊より先に出すっていうのよ。断っちゃたよ。日刊の方が先に(インタビュー依頼が)来てたよなって。掲載日聞いたら、向こうの方が早いっていうんだよね。そんなに話しのパターンないから。じゃあ、日刊1個にしようって」。

 心配りに感激し、感謝の言葉を繰り返すしかなかった。長く芸能界で活躍する石橋さんの“おとこ気”を、垣間見られた気がした。【前田祐輔】