夏に10度の全国出場を誇り、今年で創部105年目を迎えた古豪小倉が、宗像との公立校対決を制し、4年ぶりに県大会(5回戦以降)へ駒を進めた。78年春に甲子園に出場し、監督としても小倉東を2度センバツに導いた土田秀夫前監督(54)の次男、4番土田天洋内野手(2年)が2安打2得点の活躍をみせた。

 もう古豪とは言わせない! シード校小倉が宗像から12安打で8得点を奪い、11年以来4年ぶりにベスト16に進んだ。今年で創部105年。56年以来、59年ぶり11度目の夏の甲子園出場に向け、順調に県大会へと勝ち進んだ。

 打線の中心は、土田秀夫前監督(54)の次男で、今年5月から4番に座る土田だ。前日11日の3回戦北九州高専戦で高校通算23本目の本塁打を放った2年生は、この日も2安打2得点。5回無死一塁から左前打でチャンスを広げると、先頭で迎えた9回にも右前打。OBの兄航大さん(23)が果たせなかった「小倉から甲子園に出場し、父のように本塁打を打つ」という夢を実現すべく、力強い豪快なスイングを貫いた。

 「甲子園の魅力は小さいころからずっと父から聞かされてきた。父は2年春に甲子園で本塁打を打っている。だから僕も2年生の今年、甲子園に行きたい。兄からも『絶対にお前が甲子園に行ってくれ』と言われているんです」

 そんな熱い思いを持つ2年生に4番を託す牧村浩二監督(58)も「ようやく甲子園が狙えるチームができつつある。今日も普段通りの野球ができたし、打線の調子も戻りつつある。土田もおやじ譲りの打撃で頼りになる」と笑顔。今年は高校野球100年の節目で、古豪として例年以上に注目が集まるが、指揮官は「古豪ではなく、早く実力校と呼ばれたい。同じ公立校には負けられない。上を見ず、1戦1戦戦って、公立のトップでいこうと言い続けているんです」と、復活を誓った。【福岡吉央】