神奈川県初の3校合同チームは、7回コールド負けを喫した。

 初回の1死満塁、3回2死満塁とチャンスはあったが、打線がつながらず1点が遠かった。最後は0-6の7回2死一、二塁。山本優也投手(3年)が一塁へけん制球を投げたが、山口晃功内野手(3年)が捕球できず、二塁走者が生還しゲームセット。松浦良祐主将(3年)は「負けてしまったが、仲間を信じて戦うことが出来た。とても幸せでした」と笑顔で話した。

 指揮官は元吉本お笑い芸人「こふきいも」の三浦臨海・田沼宏友監督(35)。昨年11月から3校連合チームが結成された。練習では、選手をリラックスさせるために笑いを交えたり、「ZOO」という動物の動きをまねる下半身のトレーニングを取り入れるなどユーモアがあふれた。

 合同チーム発足当初は一体感がなかった。全体練習が可能なのは週末のみのため、連係プレーの熟成に時間を要した。主将選びにも時間を要した。一時は日替わり主将制で適性を見極めながら、3月に松浦主将に一本化された。練習時には「番狂輪戦(ばんくるわせ)」と書いたオリジナルTシャツを着用するまでに一体感が生まれた。発案者の松浦主将は「『合同チーム=弱い』という概念を覆したい。1つの輪になって全員で戦う」との思いを込めた。

 大会直前に部員が1人欠け、9人で挑むことになった。松浦主将は「全員で戦えなかったことだけ悔いが残ります」。目指した1勝は実現できなかったが、神奈川に新たな歴史を刻んだ。田沼監督は「また1から頑張ります。修業ですね」と秋の4校連合チーム(予定)に向けて1歩踏み出した。