山形中央が春4強の山形城北を下し、準決勝進出を決めた。1点先制された1回裏1死一、三塁、4番青木陸捕手(3年)との勝負を避けられた5番高橋稜佑外野手(3年)が逆転3ランを放った。3番には双子の兄裕佑内野手が座り、強力クリーンアップでノーシードから連覇を狙う。

 青木だけじゃない! 5番高橋稜は燃えていた。1点先制された直後の1回裏1死三塁。山形商との3回戦で満塁弾を放った4番青木が四球で歩かされた。「試合前から勝負してこないと思っていた。変なこと考えないでぶち当たっていくだけ。外寄り低めの真っすぐ。うまくバットに乗ってくれた」。高校通算18本目で、公式戦では初となる逆転3ランを右中間にたたき込んだ。

 打線の課題は4番青木の後だった。1安打に終わった3回戦に続いて5番に起用され、2安打3打点。昨夏の甲子園に背番号8で出場後も、双子の兄裕佑と自主練習を続けた。7時半からの朝練に始まり、午後7時に全体練習が終わった後も「2人でトスを上げ合った」。夜9時まで毎日のように取り組んだ。結果、春の練習試合から夏開幕まで11本塁打を量産。万全な状態で開幕を迎えていた。

 庄司秀幸監督(39)も絶賛した。「青木が勝負されるとは思ってない。後ろが当たり始め、ウチらしい打線になってきた。高橋兄弟の飛距離は青木と同じレベル」。3番に座る兄裕佑はこの日無安打だったが、今大会12打数5安打4打点で存在感を発揮。一卵性双生児で、うり二つの高橋ツインズで青木を挟む強力クリーンアップが完成した。

 高橋稜が打つことで、4番青木も生きてくる。「去年は(2年生で)限られたメンバーでしか甲子園に行ってない。今年は3年生みんなで甲子園で終わりたい」。高橋稜のバットが火を噴けば、同校初の連覇への道は自ずと開ける。【高橋洋平】

 ◆高橋裕佑(たかはし・ゆうすけ)稜佑(りょうすけ)1997年(平9)4月21日、山形・大石田町生まれ。ともに大石田小3年から野球を始める。山形中央では1年秋から裕佑が背番15、稜佑が背番9でベンチ入り。昨夏甲子園は裕佑が背番14、稜佑が背番8。家族は両親、兄、妹。2学年の上の賢汰さんは13年に同校三塁手としてセンバツ出場。ともに右投げ右打ち。裕佑は175センチ、78キロ。稜佑は同身長で体重79キロ。