第1シード秋田南は右腕中島和俊(3年)が4安打完投。2-1で能代松陽を破り、13年ぶり3度目の決勝進出を果たした。

 エース中島和が、自らウイニングボールをつかみ、チーム初の甲子園出場に王手をかけた。1点リードの9回裏2死。一塁ベースカバーに入って勝利を手にした中島和は「大事なところで守り、打ってくれた仲間に感謝したい」とチーム一丸を強調した。

 昨秋県大会の準決勝で逆転負けした相手に雪辱した。味方打線が4回までに2点を先取。5回に1点差に迫られ、6回には2死満塁の窮地を背負ったが、冷静さを失わずにポーカーフェースで切り抜けた。OBの石川聡監督(42)は「競り合いになるのは百も承知。粘りと辛抱で少し相手を上回ったかな」と勝因を掲げた。

 「勝つまでは油断できない。気持ちを崩さないように」と、甲子園出場を決めるまでガッツポーズはしないと心に決めている。だが、昨夏準Vの相手を倒して「少ししてしまった」とはにかんだ。この夏、県内最速の145キロ右腕。明日23日の決勝では、最速142キロ左腕の秋田商エース成田翔と対決する。前回決勝に進出した02年も秋田商と対戦し、4-21で敗れている。

 中島和は「1個1個のアウトを確実に取って流れを引き寄せたい。先輩たちや応援してくれる方々、すべての気持ちを背負って投げたい」。最後に思いっきりの、ガッツポーズを決めるつもりだ。【佐々木雄高】