来夏廃部の危機に直面するPL学園が惜敗し、6年ぶりの甲子園出場の夢を断たれた。5回に失策で1点を先制された。7回にグルラジャニ・ネイサン内野手(3年)のソロで追いついたが、直後の8回に大体大浪商の北山諒(同)にソロを打たれて決勝点を奪われた。打線も反撃を封じられ、甲子園への挑戦は8強で終わった。

 5回の自身の落球が大体大浪商の先制につながった主将の謝名堂陸(3年)は「ショートならあの打球は絶対に捕らなければいけなかった」と号泣。ただ、野球経験のない草野裕樹監督(64)を支え、作戦などを補佐してきた奥野泰成内野手(同)は「あいつがやったことなら、仕方がないです。必死で練習して必死でチームを支えてくれた主将ですから」と涙ながらに僚友をかばった。

 3年生はこの日で引退し、残った2年生は12人。新チームは8月初旬からスタートを切るが、草野監督は「人も少ないし、チームも強くない。練習方法から考えていかなければ」と厳しい見通しを語った。来春の野球部員募集は停止されたままで、現状なら来夏がPL学園の最後の公式戦になる。