甲子園に春1度、夏10度出場の強豪青森山田の監督が交代したことが15日、分かった。佐藤伸二前監督(43)に代わって、青森山田リトルシニア(中学)監督だった兜森崇朗(かぶともり・たかあき)氏(36)が新監督に就任。このほど指導を開始した。

 兜森新監督は青森山田OBで現役時代は投手。高校2年の秋にエースとして東北大会決勝に進出。同じ青森の光星学院(現八戸学院光星)に3-6で敗れ、地域性でセンバツを逃した。青森大を経て母校教員になり、野球部副部長として04~09年、青森県記録の夏の甲子園6年連続出場を支えた。

 青森山田は今春東北大会で優勝。今夏青森大会でも有力視されたが、4回戦で黒石商に敗退。09年夏以来、6年間甲子園から遠ざかっている。兜森監督は青森山田リトルシニア監督として全国大会ベスト4などに導き、指導手腕を発揮した。新チーム始動のタイミングで兜森監督のもと再出発することになった。

 新チームには、青森山田リトルシニアでの教え子が各学年10人ほどおり「指導を始めたばかりという気がしない」という。「控え部員も含め1人1人がやりがいを持ってやれる集団にしたい。全員野球で勝利を目指すスタイルが目標」と語る。

 99年夏甲子園ベスト8などの名門復活の期待を背負うが、兜森監督は「名門の意識でやると失敗する。一から築き、チャレンジ精神を持って進む」と新生青森山田の先頭に立つ。【北村宏平】

 ◆兜森崇朗(かぶともり・たかあき)1979年(昭54)7月26日、青森県青森市生まれ。筒井中3年の時、エースで全国中学大会出場。青森山田高では2年秋の東北大会決勝に続き、3年夏の青森大会決勝でも光星学院に敗退、甲子園を逃した。青森大卒業後、青森山田中教員、青森山田高同などを経て11年から青森山田リトルシニア監督。昨年の林和男旗杯国際大会でベスト4。今年春の全国選抜大会と夏の日本選手権でベスト8に導いた。