怪物の長い夏が、終わった。第27回U18(18歳以下)ワールドカップ決勝で、高校日本代表が米国に惜敗。2大会連続で同じ相手に世界一を阻まれた。早実・清宮幸太郎内野手(1年)は、「4番DH」で4打数1安打2三振。チャンスで走者をかえせなかった悔しさをにじませ、2年後の17年カナダ大会での雪辱を誓った。この夏、西東京大会から密着取材した鹿野雄太記者(31)が、スーパー1年生の成長と変化を振り返った。

 日本の高校野球の聖地で歓喜に沸く米国ナインを見ながら、清宮が目を真っ赤にした。世界一にあと1歩及ばず「みなさんが打っているのに、全部自分が途切れさせてしまった。悔いしか残っていません。『何の役にも立てず、すみません』という気持ちです」。今大会8試合で4番に座った唯一の1年生は、反省の言葉を繰り返した。

 この悔しさは2年後に晴らす。6回2死一、二塁、全力疾走で二塁内野安打として3試合連続ヒットをマークしたが、今大会の成績は27打数6安打で打率2割2分2厘。打点は開幕ブラジル戦の2点だけに終わった。「チームの軸として足を引っ張ってしまった。2年後も絶対に(代表に)戻れるように活躍して、リベンジしたい。もうこんな思いはしたくない。世界一しかないです」。3年生に「あと2年あるんだから」と声をかけられた16歳は、力強く誓いを立てた。

 新たな戦いは、すぐに始まる。今日7日に帰京してチームに戻り、12日に秋季都大会の初戦を迎える。「この大会で4番の責任を重く感じた。疲れてるから大会が延期になるわけじゃない。神宮大会やセンバツに向けて、仕事を果たしたい」と成長を見せるつもりだ。

 最後に報道陣から「世界を代表する打者になるという夢は変わらないか」と問われると「もちろんです」と言い切った。早実の、ジャパンの4番として、必ず世界の舞台に戻ってくる。