中学時代に137キロを出していたが、制球が悪かった。高校入学直後は外野手に回され「投手をクビになった」とショックを受けた。だが、諦めきれず、練習後に投手用のグラブをはめてキャッチボールを繰り返した。必ず宇賀神監督の視界を選んだ。「オレの球を見ろ! オレは投手だ! とアピールするためです。マウンドに上がれば抑える自信はありました」。打撃投手のチャンスをもらい、投手に戻った。気持ちの強さも魅力の1つだ。

 憧れの投手は江川卓氏(62)だ。「軽く投げても球が速くてすごい」と、YouTubeなどで映像を見ている。ただ、江川氏の母校・作新学院は甲子園に向けて大きな壁だ。「どこと当たっても負ける気はしない。もちろん作新でもです」。10日の那須清峰戦から、石川の夏は始まる。【太田皐介】

 ◆石川翔(いしかわ・しょう)1999年(平11)12月14日、東京・板橋区生まれ。小2年から東板橋リトルシニアで野球を始める。中学は板橋シニアで投手、外野手としてプレー。青藍泰斗では2年春からベンチ入り。好きな食べ物は母が作るオムライス。家族は両親と姉、弟、妹。179センチ、82キロ。右投げ左打ち。