日刊スポーツ記者が全国の高校野球有望投手にスポットを当てる「ピカイチ投手編」。最速149キロを誇る青藍泰斗(栃木)の石川翔投手(3年)は、プロスカウトから上位候補と高く評価されている。故障に泣かされた高校生活だったが、最後の夏を前に万全の状態に仕上がりつつある。昨年日本一で栃木大会6連覇中の作新学院に挑み、葛生時代の90年以来27年ぶりの甲子園を狙う。

 ヒヤリとする場面があった。石川は2日に千葉英和との練習試合に先発するも、3回にバント処理で左足をひねって降板した。だが、大事には至らず、宇賀神修監督(63)は「大会には心配ないです。前の日の雨で地面がぬかるんでいた影響もあったのでしょう」。故障に泣かされた高校生活。1年の10月に左膝の半月板を手術した。今春は左股関節痛、右肩痛にも悩んだ。最後の夏は万全の状態で臨みたい。万全なら、結果を残す自信もある。

 自慢は最速149キロの直球だ。石川は「高校では1番の自信があります」と言い切る。フィリピン人の母を持ち、長い足、柔らかい肩回りなど恵まれた体を持つ。巨人福王東日本統括スカウトは「柔らかく、ポテンシャルの高さを感じさせる」と話す。中日中田スカウト部長は「モノが違う。今年の高校生投手ではトップクラス。将来性もあり楽しみな選手」と素質を高く評価している。石川自身も「正直、持って生まれたモノは大きいと思います」と胸を張る。